| 西土佐村（現：四万十市西土佐）／産業課／特産品開発担当では、作年より四万十中流域の山間地区の特産品開発に取組んでおりました「山間米（さんかんまい）」が、このたび、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する「2004年度グッドデザイン賞（Gマーク）」を受賞いたしました。
「山間米（さんかんまい）」は、「米は水」、「米は日本の風景」をコンセプトに昔の知恵に学びながら、お米本来の精神性や山村風景、文化との密接な関わりをもう一度見つめ直し、生活の場面に溶け込み、使い易いパッケージ開発を目指しましたしました。
デザイナーは西土佐村（現：四万十市西土佐）在住で四万十川中流域の商品開発や新しい山村交流などを地域に根付き活動されている「サコダデザイン」の迫田 司氏を起用しました。「お米というのは、四万十の中山間の風景を背負っている。だから商品が単体で機能するのではなく、その商品の向こうに、四万十中流域の風景や人が見えてくるというものにしたかった」。「お米はお米の量り方がある。升や合がそれである。炊飯器がどんなに進化しても中の目盛りは合や升である。」というデザイナーの着眼と、その表現としての持ちやすく、保管しやすいデザインがカタチとなったことが、世界的に権威のある「グッドデザイン賞（Gマーク）」受賞につながりました。
審査会からは
「2升5合（3.6kg）と3升5合（5kg）の米びつとして機能するパッケージ。『足元のすばらしさ』を知り、昔に学び、米保管の知恵をいかした廃棄にも配慮した米袋である。『どんなに炊飯器が進化しても中の目盛りは合や升』という視点が、持ちやすく無理のない造形をもたらした。あらゆる面で利に適った提案で、他の業界からも注目されるソフトを持っている。」
と評価され、デザイナーの迫田氏は
「単に田舎への憧れというものだけではなく、自分たちの数世代前が暮らした風景の中にある豊かさを、ある種、成熟したデザインという視点で探り当てていくような仕事をしたい」と受賞にあたってコメントしています。
「2004年度グッドデザイン賞（Gマーク）」は1957年に通商産業省によって設立された「グッドデザイン選定制度」を継承し、1998年より財団法人日本産業デザイン振興会の主催事業として運営する日本で唯一の総合デザイン評価・推賞制度です。新しい時代の文化と生活を創造することを目的として「より豊かなライフスタイル」と「良いビジネス」の開拓に寄与し、受賞シンボルである「Gマーク」は広く一般に定着しています。
西土佐村（現：四万十市西土佐）では、「デザイン」という視点を「風景」にあてながら山奥から一筋の光りを放つような地域を目指し、地味でも地道な活動を続けてまいります。
|
